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神宮前に新ギャラリーOPEN! こけら落としは長島有里枝個展

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2016年3月16日、明治神宮外苑前に新たな現代美術のギャラリーがオープンする。ディレクター・久保田真帆が主宰するMAHO KUBOTA GALLERYだ。そのこけら落としの展覧会となるのは、長島有里枝の個展「家庭について/about home」。

 長島有里枝は、1990年代後半の日本の写真界の一潮流となった「ガーリーフォト(女の子写真)」を代表する写真家の一人。日本とアメリカの2カ国での日常生活を鮮烈に写し出した写真集『PASTIME PARADISE』(マドラ出版)で、蜷川実花、HIROMIXとともに第26回木村伊兵衛写真賞を受賞した。

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長島友里枝「about home」より © Yurie Nagashima/ Maho Kubota Gallery 2015

 近年では、水戸芸術館 現代美術ギャラリー(茨城)と丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(香川)2館を巡回した展覧会「拡張するファッション」(2014年)や、ヴァンジ彫刻庭園美術館(静岡)の「開館10周年記念展 庭をめぐれば」(2012年)など、現代美術展への出品が続いている。また一方、4代にわたる家族の記憶を綴ったエッセイ集『背中の記憶』(2009年、講談社)で第26回講談社エッセイ賞を受賞、三島由紀夫賞の候補にもなるなど、その文才も評価されている。

 本展は、長島が母と共作したテントと大小の写真群によって構成されるインスタレーションとなる。これまで一貫して家族や家庭をテーマに創作に取り組んできた長島は、亡くなった祖母が撮影した写真をきっかけに、最近は「社会における表現者としての女性」が直面する問題や不遇について考え、作品を制作している。

 男性優位の社会に対して問題提起しつつ、ごく私的でささやかな日常の営みにも眼差しを向ける長島。そんな自らの創作活動を「写真はわたしにとって、わからないものを凝視する手段であり、意味を持たないひらめきを、かたちにする手段でもあります」と語る。今回の母とのテントの共作には「家族という関係性(中略)に変化を起こすことは可能か」という問いがあると言う。

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長島有里枝「about home」より © Yurie Nagashima/ Maho Kubota Gallery 2015

 MAHO KUBOTA GALLERYを主宰する久保田真帆は、数々のアーティストを世に送り出している現代美術のギャラリー、SCAI THE BATHHOUSE(東京・谷中)のディレクターを務めてきた人物だ。ギャラリーの取り扱い作家の一覧には、イギリスの現代美術家、ジュリアン・オピーや小川信治の名も。2020年の東京オリンピックの中心となる新国立競技場も近い渋谷区神宮前にオープンした同ギャラリーの今後の展開が注目される。

長島有里枝「家庭について/about home」
会期:2016年3月16日~4月23日
場所:MAHO KUBOTA GALLERY
住所:東京都渋谷区神宮前2-4-7
電話番号:03-6434-7716
開館時間:12:00〜19:00
休廊日:日月
URL:http://www.mahokubota.com/

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