夭折の写真家・牛腸茂雄の展覧会がフジフイルム スクエアで

1983年に36歳の若さで急逝した写真家・牛腸茂雄の足跡を辿る展覧会が東京・六本木のFUJIFILM SQUARE（フジフイルム スクエア）で10月1日から開催される。

　1946年新潟生まれ、3歳で患った胸椎カリエスのため生涯、身体的ハンディとともに生きることを余儀なくされた牛腸茂雄は、高校卒業後、デザイナーを目指し桑沢デザイン研究所に進学。同研究所の教師を努めていた写真家の大辻清司との出会いが契機となり、本格的に写真の道を志す。

折しも、新しい写真表現が豊穣記を迎えていた1970年代、その一翼を担う写真家として注目を集めた。日常で出会った子どもたちをはじめとする被写体のまなざしは、写真を通して「自分と世界との関わり」を探究し続けた牛腸自身のポートレイトともいえる。

　本展では、「日々」「幼年の「時間（とき）」「SELF AND OTHERS」などのモノクロ作品シリーズから約30点を展示。会期中には1978年に日本写真協会新人賞を受賞した写真集『SELF AND OTHERS』の牛腸茂雄を追った同名のドキュメンタリー映画『SELF AND OTHERS』（2001年、佐藤真）の上映も予定されている。