名古屋の港まちを舞台にした音楽とアートの新たなフェスティバル「アッセンブリッジ・ナゴヤ」が今年から始まる。「Assemble」(集める、組み立てる)と「Bridge」(橋)を組み合わせた、造語「Assembridge」(アッセンブリッジ)。コンサートホールや美術館ではなく、人々が生活するいつもの「まち」を会場とし、世界的なクラシック音楽や現代アートの数々が人々や風景とまざり合う。
「アッセンブリッジ・ナゴヤ」の核となるのが「あいちトリエンナーレ2016」でもキュレーターを務めている服部浩之と、名古屋港エリアでアートプログラムを展開しているMinatomachi Art Table, Nagoya[MAT, Nagoya]の吉田有里、青田真也、野田智子がディレクションする現代美術展「パノラマ庭園 ー動的生態系にしるすー」だ。名古屋港界隈をひとつの「庭」に見立て、作庭するように、「まち」にアーティストや作品が入り込んでいくこの展覧会。つねに動き続ける「まち」の様相をひとつの生態系ととらえ、アーティストや作品が「まち」のすき間に入り、その生態系に何かのきっかけを残すことを試みる。
参加作家は碓井ゆい、臼井良平、L PACK.、遠藤俊治、オル太、城戸保、クリス・チョン・チャン・フイ、コラクル+渡辺英司、ゴードン・マッタ=クラーク、下道基行、鈴木悠哉、玉山拓郎、徳重道朗、トラベルムジカ、中尾美園、ヒスロム、山本聖子。作家がこの港まちエリアをリサーチし、制作した新作が多数登場する。

また今回は展覧会をより深く理解するためのさまざまなプログラムが企画されている。これまで約1000冊にも及ぶ出版を行ってきたアイルランドの出版社コラクルと、渡辺英司によるワークショップ「The Content of A Book|本の中身/小さな貨物船」や、シアタープロダクツのメンバーや音楽家による音楽プロジェクト、トラベルムジカの参加型ワークショプ「旅する楽譜とみなとまち」。地域とアートの関係性をさまざまな分野の専門家とともに考えるトークシリーズ「地域美学スタディ」などが予定されている。
このほかまちづくりとリンクしながら展開する関連プロジェクトのひとつ、「アートホテルプロジェクト」では会期中、名古屋港駅近くの船員宿泊所「ハーバーロッジなごや」内で、アートを鑑賞しながら宿泊できる特別ルームが用意されるので、鑑賞の拠点として活用したい。



会場:港まちポットラックビル、旧・名古屋税関港寮、名古屋港ポートビル展望台、ボタンギャラリー、旧・潮寿司ほか、名古屋港エリア内
電話番号:052-654-7039
開館時間:11:00〜19:00(名古屋港ポートビル展望室は9:30〜17:00)
休館日:9月26日、10月3日、10月11日、10月17日