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半透鏡を使ったポートレイト 鈴木理策の個展がタカ・イシイで

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ハーフミラー(半透鏡)を使って撮影された新作のポートレイトを発表する鈴木理策個展「Mirror Portrait」が、タカ・イシイギャラリー東京(六本木)で2016年11月26日から開催される。

 1963年和歌山県生まれの鈴木理策は、1998年に故郷の熊野をテーマにした初の写真集『KUMANO』を出版、2000年には『PILES OF TIME』で木村伊兵衛写真賞を受賞。これまで写真というメディアの特性に着目しながら「見るという経験とは何か」を探究し続けている。

 今回の新作個展では、同ギャラリーの新拠点となった六本木・complex665を会場に、自身初のポートレイト作品に挑戦。半面は光を反射する鏡、もう一方は反射するガラスである「ハーフミラー」で撮影者と被写体を隔て、両者の視線が交わることなく撮影が行われた。自らを見つめる被写体を撮影する鈴木のまなざしを鑑賞者が追体験することによって、「見ること」への再考を促している。

 なお、鈴木の個展は六本木のほかタカ・イシイギャラリー フォトグラフィー パリと&co119(パリ)の3会場で同時開催される。

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鈴木理策 MP16, S-21 2016 ラムダプリント 50.8x33.8cm ©Risaku Suzuki
鈴木理策「Mirror Portrait」
会期:2016年11月26日~12月24日
会場:タカ・イシイギャラリー東京
住所:東京都港区六本木6-5-24 complex665 3F
電話番号:03-6434-7010
開館時間:11:00~19:00
休館日:日月祝休
URL:www.takaishiigallery.com


鈴木理策「海と山のあいだ」
会期:2016年11月8日~12月23日
会場:タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー パリ
住所:119 rue Vieille du Temple 75003 Paris
電話番号:+33 (0)142776898
開館時間:12:00~19:00
休館日:日月祝休
URL:www.takaishiigallery.com


鈴木理策「唯一の時間」
会期:2016年11月8日~12月23日
会場:&co119
住所:119 rue Vieille du Temple 75003 Paris
電話番号:+33(0)970975918
開館時間:12:00~19:00
休館日:日月祝休
URL:https://8co119.co/

代官山の「ギャラリー スピークフォー」がクローズ

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東京・代官山にある「ギャラリー スピークフォー」が11月24日、松尾たいこ「福馬福鳥」展の会期終了をもって閉廊したことを発表した。

「ギャラリー スピークフォー」はアパレル会社のアバハウスインターナショナルが運営。山手通りのビル2階に居を構え、これまでイラストレーターの白根ゆたんぽやソリマチアキラ、写真家の鈴木心などの展覧会を中心に開催してきた。

 閉廊の理由については、「建物メンテナンスなど諸事情」としており、今後もオンラインショップでの通信販売を通じて作品販売は継続していくという。

陶芸と彫刻と「工作」と。カイカイキキで大谷工作室が個展開催

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Kaikai Kiki Gallery(東京・広尾)にて、木や鉄を素材とした作品、陶芸などを制作する大谷工作室による個展「僕が17歳の時、ジャコメッティの話を美術の先生に聞いて、彫刻に憧れて、僕は今、彫刻を作ってます。」が開催される。会期は11月26日〜12月24日。

 大谷工作室は、2005年より陶芸作家として活動を開始。現在は滋賀・信楽を拠点に、動物やキャラクターを思わせるような、ユーモアあふれる彫刻や陶芸を制作している。会場となるKaikai Kiki Galleryの「店主」である村上隆は、その活動を「芸術の中枢部分の、人がなぜ芸術を造り、それを愛でるのか?という問いかけへの答えのための創造、、、みたいな」と評する。

「僕が17歳の時、ジャコメッティの話を美術の先生に聞いて、彫刻に憧れて、僕は今、彫刻を作ってます。」と題された本展は、高校時代に美術部で先生の話を聞き、美術を志した自身のルーツを振り返り、彫刻作品を中心に構成された。

「芸術家」に憧れながら「美術がわからない」と感じてきたという大谷。試行錯誤するなかで得た「手と目と気持ちがうまくひっついた時」に「神様はおりてくるのかもしれない」という実感をかたちにすることを目指して制作した、新作を発表する。

大谷工作室「僕が17歳の時、ジャコメッティの話を美術の先生に聞いて、彫刻に憧れて、僕は今、彫刻を作ってます。」
会期:11月26日〜12月24日
会場:Kaikai Kiki Gallery
住所:東京都港区元麻布2-3-30
電話番号:03-6823-6038
開館時間:11:00~19:00(初日の11月26日は18:00〜)
休館日:会期中無休
URL:gallery-kaikaikiki.com

美少女キャラたちのポップで不穏な世界 あいそ桃かが個展開催

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SAKAE401(鳥取)にて、12月3日より「萌えキャラ」的な少女キャラクターを使って美術作品を制作するあいそ桃かの個展「かみさまになっていくきみ!」が開催される。

 あいそ桃かは、「アニメ」「キャラクター」をテーマに活動する先進気鋭の美術家。オタク文化的な美少女キャラクターが登場する映像や絵画、ドローイングなどの作品を発表している。商業アニメの構造や文法を借りつつ、ときに2次元と3次元を往来しながら不条理な世界観が展開され、人間の自意識や人格といった普遍的なテーマを問いかける。

 その活動は京都造形芸術大学在学中より注目を集め、これまでにカオス*ラウンジのアトリエで開催された「キャラクラッシュ!」展(2014)や「シブカル祭。」などに参加しているほか、『美術手帖』2016年12月号の「あなたの知らないニューカマーアーティスト100」特集でも紹介されている。

 編集者・美術批評研究者で鳥取大学に所属する筒井宏樹の企画により、同大学地域学部のサテライトキャンパス「SAKAE401」を会場として開催される本展は、新作のみで構成される予定。会期は12月3日〜12月18日。

あいそ桃か「かみさまになっていくきみ!」
会期:2016年12月3日~12月18日
会場:SAKAE401
住所:鳥取県鳥取市栄町401
電話番号:0857-30-4385
開館時間:12:00~18:00
休館日:月
URL:sakae401.weebly.com

【今月の1冊】沈黙期の斎藤義重が記した「作品未満」のテキスト

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『美術手帖』の「BOOK」コーナーでは、新着のアート&カルチャー本の中から毎月、注目の図録やエッセイ、写真集など、様々な書籍を紹介しています。2016年12月号では、美術家・斎藤義重が活動休止中の十数年間に書き溜めたノートをもとにした『無十』を取り上げました。

『無十』
斎藤義重=著、千石英世=編
沈黙の10年あまりの間に綴った言葉の群れ

 戦前から抽象美術に取り組み、20世紀後半には国内外で高い評価を確立した斎藤義重(1904〜2001)。1920年代にロシア未来派や構成主義の影響下から出発し、当時としては先駆的な抽象絵画と立体作品を手掛けていたが、1945年に空襲を受けて家財と全作品を消失すると作家の生活は一変する。経済状況の悪化と病気による困窮の日々。制作を中断した斎藤がふたたび美術界に戻るには、日本国際美術展において《鬼》《作品I》が連続受賞し、「五十三歳の新人あらわる」と報じられる57年まで待たねばならなかった。

 戦後のこの沈黙の十数年間、斎藤は何をしていたのか。49年に未亡人・園子と結婚、2人の息子をもうけるも、54年に離婚。千葉県浦安の知人宅に身を寄せ、隠遁の日々を送っている。そしてこの時期の前後、斎藤が傾注していたのは美術制作ではなく文章を書くことだった。日々の覚え書きをただ断片的に綴るばかりではない。斎藤は日記の一部をみずから清書し、一冊のノート「無十」としてまとめていたのだ。

 本書は54〜55年に書かれた「無十」と、その素材となった「無十」周辺のノート群からの抜粋で構成される。「周辺」のノートが日常の出来事や書物からの引用を主とする雑多な記録であるのに比べ、「無十」は日記と私小説のあわいを漂うテキストだ。そこでは離婚後に2人の息子を養育施設に預けた経緯が淡々と語られているのだが、離れて暮らす子どもたちへの哀惜の念と厭世的な人生観を繰り返し語る「周辺」をあわせて読めば、この乾いた筆致の陰に深い苦悩があるのは明らかである。

 では「無十」は斎藤の苦悩を昇華したテキストなのかというと、そうは言い切れまい。「私の心領するものは文学であった。そういう表白の方法でないと意に満たなかった」(148頁)。「周辺」に綴ったこの一文が何故か斜線で打ち消された意味を勘繰らずにいられない。おそらく斎藤は、文学を希求しながらもその手前で踏み留まり、制作中断の現状の中で、実生活を襲う繰り返しの苦悩に耐え続けた。文学への断念として、また作品化という安易な突破口への否定として、作品未満のテキスト「無十」が生まれたと見るべきだろう。なすべきは「扉開く」ことと語りながらその不可能性に直面し、斎藤は「無十」で次のように書く。「今その壁の前にあり、全部を賭けて、でき得るかぎり速かに、「この繰り返し」に集中している」(34頁)。戦後の無時間的な沈黙の正体がここに凝縮されている。

 もし斎藤が作品化=昇華の方向に振り切っていたら、美術家・斎藤義重は戦後に再登場しなかったかもしれない。このことを思うと、斎藤の文筆家としての半身が封印された「無十」の希少さがいよいよ際立ってくる。

中島水緒[なかじま・みお(美術批評)]=文
『美術手帖』2016年12月号「BOOK」より)

無十
斎藤義重=著、千石英世=編
水声社|4500円

6人が写した東京の姿。リニューアルしたTOPで企画展開催

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今年9月にリニューアル開館した東京都写真美術館(恵比寿)にて、同館による企画シリーズ展
「東京・TOKYO 日本の新進作家vol.13」展が開催される。会期は2016年11月22日~2017年1月29日。

 写真・映像作品を中心に紹介する東京都写真美術館(TOP MUSEUM)では、新世代の作家を支援するプロジェクトとして、毎年異なるテーマに基づき気鋭の作家を紹介する「日本の新進作家」展シリーズを開催してきた。シリーズ13回目となる本展では「東京・TOKYO」をテーマに、写真を通じて東京という「メガ・シティ」にアプローチする、現代の作家たちを取り上げる。

 参加作家は、小島康敬、佐藤信太郎、田代一倫、中藤毅彦、野村恵子、元田敬三の6名。東京スカイツリーを中心に東京の風景を記録する佐藤の「東京|天空樹」、アルバイトの休憩中に同僚を撮った田代のシリーズ作品など、様々な目線で変化し続ける都市の姿を写し取った作品を展示する。出品作家と、写真家の石川竜一、東京国立近代美術館客員研究員の小林美香らゲストによる対談も予定。

 また、東京都写真美術館では、これまでも東京を表現した写真作品を多く収蔵してきた。本展にあわせ、「東京」をテーマとしたコレクション展「TOPコレクション 東京・TOKYO」も同時開催される。

総合開館20周年記念 東京・TOKYO 日本の新進作家vol.13
会期:2016年11月22日~2017年1月29日
会場:東京都写真美術館
住所:東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
電話番号:03-3280-0099
開館時間:10:00~18:00(木・金は〜20:00、2017年1月2日・3日は11:00〜18:00、入場は閉館の30分前まで)
休館日:月(祝日の場合は開館、翌日休館)、年末年始(12月29日〜2017年1月1日)
観覧料:一般 700円 / 大学生 600円 / 中高生・65歳以上 500円
URL:https://topmuseum.jp/

【関連イベント】
・作家とゲストによる対談
日時:2016年11月26日 元田敬三×石川竜一(写真家)
   2016年11月27日 小島康敬×小林美香(東京国立近代美術館客員研究員)
   2016年12月4日   田代一倫×倉石信乃(明治大学教授)
   2016年12月10日 中藤毅彦×田原桂一(写真家)
   2016年12月11日 佐藤信太郎×大西みつぐ(写真家)
   2016年12月23日 野村恵子×石川直樹(写真家)
   各回14:00~15:30
定員:各回50名
会場:東京都写真美術館 2階ロビー
参加方法:当日10時より1階総合受付にて整理券を配布

・担当学芸員によるギャラリートーク
日時:会期中の第2・第4金曜日 14:00〜
参加方法:展覧会チケット(当日消印)を持参のうえ、3階展示室入口集合

アートを「振り返る」。『美術手帖』12月号新着ブックリスト

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『美術手帖』の「BOOK」コーナーでは、新着のアート&カルチャー本の中から毎月、注目の図録やエッセイ、写真集など、様々な書籍を紹介しています。2016年12月号では、実際に使用されていたアトリエの写真集、伝記、増補版論文集や作品集といった、アートに関わる営みを、時間を経て改めて振り返っている4冊を取り上げます。

彦坂尚嘉 著『反覆 新興芸術の位相 新装復刻増補版』

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 あたかも「反覆」という書名が象徴するように、美術家の彦坂尚嘉が28歳のときに出版した論文集『反覆』(1974年)が、大幅な増補を伴ってこのほど復刻された。約40年の時を経て、新章で当時を振り返り、適宜解説を加えつつ、著者は当時の言葉を現代に即したものへとアップデートしようと試みている。やや難解な言葉遣いと、融通無碍な歴史のスケールに、はじめは面食らう読者も多いと思う。しかし、繰り返し読むことで、著者の社会への視座が見えてくるだろう。(松﨑)

彦坂尚嘉=著
アルファベータブックス|3500円+税

ジェーン・ロゴイスカ 著『ゲルダ・タロー ロバート・キャパを創った女性』

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 戦場で命を落とした女性初の報道写真家、ゲルダ・タローの伝記が待望の邦訳。2007年、メキシコで発見された大量のネガからは、ロバート・キャパの名声の影に埋もれていた彼女の功績と、チャーミングな素顔が浮かび上がった。故郷を追われたユダヤ人難民の一人の女性が、恋人のアンドレとともにキャパという架空のアメリカ人写真家を名乗り、26歳の若さでこの世を去るまでをしなやかに綴る。身の危険を冒してまで、彼女がカメラに収めたかったものとは。(松﨑)

ジェーン・ロゴイスカ=著、木下哲夫=訳
白水社|5400円+税

三上豊 編・著『麻生三郎アトリエ』

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 神奈川県川崎市に現存する麻生三郎のアトリエ。ここに遺る画家の身の回りの品々は、制作の秘密や私的な関心事だけでなく、画家が生きた時代の空気までを証言する貴重な資料だ。アトリエの様子、画材道具一式、書棚の蔵書などをアート・ドキュメンテーションとしての視点から撮影した写真集。オーソドックスな作家研究では見過ごされがちな、ノイズのように些細な視覚的情報も拾い上げ、在りし日の画家の目線を伝える異色の取り組み。(中島)

三上豊 編・著
せりか書房|3000円+税

長坂常ほか 著『B面がA面にかわるとき[増補版]』

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 建築家・長坂常の仕事のなかでも「A面」ならぬ「B面」に相当するプロジェクトを集めた作品集。「薄い贅沢」感が漂う既存住宅をリノベーションした「奥沢の家」や集合住宅「Sayama Flat」の設計、ベンチやテーブルといった家具類のデザインなど、もともとの文脈に宿る「他者性」を軽やかに再構築した試みの数々を作家自身のコメントと写真でめくる。旧版の青木淳、田中功起、岡田利規のテキストに加え、増補版では千葉雅也、浅子佳英らが新たに寄稿。(中島)

長坂常ほか=著
鹿島出版会|2500円+税

中島水緒[なかじま・みお(美術批評)]+松﨑未來[まつざき・みらい(ライター)]=文
『美術手帖』2016年12月号「BOOK」より)

吉本興業グループが映画祭を開催! 「京都国際映画祭」レポート

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「映画もアートもその他もぜんぶ」というテーマのもと、京都の様々な施設を舞台に、映画とアートを中心に紹介するイベント「京都国際映画祭2016」が、10月13日〜16日に開催された。吉本興業グループが運営する本映画祭の、アート部門の様子をレポートする。

芸人による多様な美術表現を見た、3年目の京都国際映画祭

 10月13日から16日までの4日間、京都市役所前の広場に全長7メートルのジャイアント馬場像が現れた。実物の自動車をバックドロップするその姿に、通行人は面白がってカメラを向ける。「映画もアートもその他もぜんぶ」の標語を掲げる京都国際映画祭2016の象徴的な展示だ。この光景は、新聞社のニュースサイトで速報され、SNS上で瞬く間に拡散された。

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西本願寺・伝道院の前に立つYottaと《金時》。10月13日には、よしもとの芸人が焼き芋を無料配布した

 今年は西本願寺・伝道院(通常は非公開)や廃校、百貨店といった様々な会場に、現代美術家から芸人までの作品が並んだ。本映画祭アート部門プランナーのおかけんたが、思いを語る。

「よしもとがアート事業を行うことについて、『なぜお笑いの企業が?』と首をかしげる方もいます。私は、この映画祭のアート部門に芸人が取り組むことで、いままで興味のなかった人々が本格的なアートの世界に触れるための足がかりになれば、と思っています。文化的なものに関心を持つきっかけを提供したいです。

 最近の傾向として、これまでたんなるコントのネタで終わっていたことをもう一段掘り下げて、自分の知識や技術として習得するところまで挑戦するタレントや芸人が増えてきました。お笑いという方法以外でも表現したいものを、彼らは持っているんです。こうした活動を継続し活性化させていくことが、アート人口の拡大には大事なのではないでしょうか」。

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マンガ家・蛭子能収「えびすリアリズム」の展示風景
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お笑いトリオ「ロバート」に所属する秋山竜次の「クリエイターズ・ファイル展 in 京都」の展示風景

 アートプロジェクトが各地で林立している昨今、京都の伝統文化とお笑いという自前のコンテンツで、アートの垣根を取り払おうと奮闘する本映画祭の姿勢には、好感が持てる。ただし「その他もぜんぶ」ひっくるめた企画の煩雑さは否めない。芸人たちの発想があれば、各会場の案内や展示の見せ方も、より親しみやすくわかりやすいものにできたのでは、とも思う。アートと笑いの種を蒔き続けながらも、今後は芽吹いたものを根付かせる活動も必要になってくるだろう。

松﨑未來=文
『美術手帖』2016年12月号「INFORMATION」より)

京都国際映画祭2016
10月13日〜16日に京都各所で開催された、3回目となる映画祭。映画、アートの2部門で構成され、運営を吉本興業グループが担っている。今回は西本願寺や元離宮二条城などが新たな会場に加わった。アート部門のプランナーは、漫才師・現代美術コレクターのおかけんた。

世界初! アートと文化専用のドメイン「.ART」誕生

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世界初の、アート界向けに開発されたドメイン「.ART」が誕生、世界各国の美術館や財団が先駆けて導入することがわかった。

「.ART」を先駆けて導入するのは、ポンピドゥー・センター、バイエラー財団、カルティエ財団現代美術館、グッゲンハイム美術館、ハウザー&ワース・ロンドン、ロサンジェルス・カウンティ美術館、イタリア国立21世紀美術館、テート・ギャラリーなど。既存のウェブサイトを「.ART」に完全に移行ないしは統合したり、アーティストやコレクションから独自のコンテンツを紹介する新しい専用ウェブサイトを立ち上げたりする。

「.ART」の創設者、ウルビ・カシモフは「われわれの使命は、世界のアート界の文化的遺産を保存することである。われわれは、世界中の尊敬されている多数の組織がアート界とインターネットとの関係を変革し、そのブランド遺産をオンライン上で保護することを支援するという『.ART』のビジョンと信念を共有できることを光栄に思う」とコメント。また同ドメインを導入する組織の担当者らは次のように語っている。

われわれの美術館は新しいドメインの立ち上げに喜んで参加する。これは世界で最も優れたアートコレクション、ギャラリー、美術館をプロモートすることに役立つ。
ロス・ローラー(テート・ギャラリー デジタル・ディレクター)
アート界のドメイン名は長年の懸案事項だったが、今後は多数の文化業界のリーダー、美術館、アートセンター、ギャラリー、コレクターなどがそれぞれのコレクションやプログラムをプロモートするのにより関連性があるドメイン名を利用することができる。
ブノア・パラーレ(ポンピドゥー・センター コミュニケーション&パートナーシップ担当ディレクター)
インターネットは大きな教育的可能性と、信頼でき、かつ参考になるドメイン名を備えており、アートを専門とするドメインは貴重な知識源を提供する。アート・ドメインはアートを愛し、大切に思うすべての人にとって、世界中のアート組織とアーティストの優れた作品の価値を高めるには有効なプラットフォームになる。
アントン・ビドクル(e-flux創設者)

 なお今後、テート・ギャラリーやグッゲンハイム美術館は、それぞれのコレクションの多様な側面を際立たせるウェブサイトを開発。カルティエ財団はドメインを使って、そのコレクションを初めて一般公開する。また、ポンピドゥー・センターは外国人のビジター向けに英語やその他の言語で、役立つ情報を掲載した専門ウェブサイトを立ち上げるという。

 同ドメインの使用について、2017年2月から5月までは、美術館やギャラリーなどアート界のプロフェッショナルメンバーのみが登録が可能となり、5月以降は一般に開放される。

木に生命を吹き込む土屋仁応 新作個展がメグミオギタで開催中

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彫刻家・土屋仁応(つちや・よしまさ)の個展「命の木」が、メグミオギタギャラリーで12月24日まで開催されている。東京都美術館開館90周年記念展「木々との対話」で発表した大型作品3点と新作4点を展示。

 1977年生まれの土屋仁応は、伝統的な仏教彫刻の技法を用い、なめらかな木彫の表面や繊細な彩色を特徴とした、神秘的かつ生命感あふれる動物を題材に作品を制作している。その巧みな技術によって木に命を吹き込んでいるようだ。

 土屋が参加した東京都美術館開館90周年記念展「木々との対話」(2016年7月26日〜10月2日)では、「獅子」「麒麟」「鳳凰」をモチーフとした大型作品3点を発表し、「木」で制作することの原点や、さまざまな命をもらいながら生かされている人間の立場をもう一度見つめ直すことができたという。

 本展は、先のグループ展で発表した3点に加え、木目や鑿(のみ)の痕跡を残した力強い獅子や麒麟などをモチーフにした新作4点を展示。

土屋仁応「命の木」
会期:2016年11月18日~12月24日
会場:メグミオギタギャラリー
住所:東京都中央区銀座2-16-12銀座大塚ビルB1
電話番号:03-3248-3405
開館時間:11:00~19:00
休館日:日月祝休
URL:www.megumiogita.com

サザビーズジャパン、代表取締役に中国美術専門の平野龍一が就任

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オークションハウスのサザビーズジャパンは、11月1日付で同社代表取締役に平野龍一が就任したと発表した。

 平野は1971年生まれ、成城大学経済学部卒業。94年に彌生画廊に入社し、2007年に家業である平野古陶軒(1936年創業、現在休業中)の3代目を継承した。12年にサザビーズ中国美術部門インターナショナル上級スペシャリスト、サザビーズジャパン副社長として入社。以来、「永青文庫」を創立した細川家の日本・東洋古美術のコレクションを扱った「細川コレクション」などのセールを担当してきた。

 同社で技術職から社長に就任するのは今回が初めてのケースだという。

オノ・ヨーコとティラバーニャ、「共に行動すること」をさぐる

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東京・浅草のASAKUSAでは、オノ・ヨーコとリクリット・ティラバーニャによる2人展「共に行動すること」が開催されている。イベントスコアや指示書をもとに構成される本展は、人々を日常の関係性の上につなぎ、相互の交流と疎通を訴えてきた2人の作品において、「共に行動すること」の有効性を検証する。

 ミュージシャン、アーティストとして活動するオノ・ヨーコは、観客や参加者との相互の関係性を重視した「フルクサス」の主要人物の一人として知られている。ジョン・レノンと結婚した1969年、2人はハネムーンの機会を反戦のメッセージを掲げる手段として、《Bed Piece》 (1969)を行った。同作では、アムステルダム・ヒルトンホテルの一室を会場に、一週間にわたりベッドに横たわったまま、世界中から招かれた報道記者と議論し、マスメディアに強く訴えかけた。寝室を利用することでプライベートとパブリックの境界を揺るがし、非暴力と平和を求めた同作。そこには「国家権力の干渉から解放された共同体を生み出す構想」があったとされる。

 アルゼンチンで生まれ、タイ、エチオピア、カナダで育ち、グローバル時代の条件下に過ごしたリクリット・ティラバーニャ。スーパー16mmで撮影された154分の映画作品《Lung Neaw Visits His Neibours》(2011)では、自身が国籍をもつタイのチェンマイへと帰省。退職し、年老いた一人の農夫の生活を追う同作は、東南アジアのある質素な共同体を支える精神性を映しだしている。なお本展では、これまでも多国語に翻訳し、発表してきたポスター作品《Do not Ever Work(決して働くな)》(2016)の日本語版をあわせて発表し、来場者に差し出す試みも。ティラバーニャは、1950年代から70年代初頭にかけ、ヨーロッパで活動した前衛集団「アンテルナシオナル・シチュアシオニスト 」の創設メンバー、ギー・ドゥボールの落書きを引用したこのスローガンによって、労働力と資本関係の批判に取り組んでいる。

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リクリット・ティラバーニャ Lung Neaw Visits His Neighbors 2011 スーパー16mm video color/sound 154分 Courtesy the artist.

 なお本展では、参加作家の協力により、オノ・ヨーコの代表作である詩集『グレープフルーツ』(1964)を参照したトリビュート・パフォーマンス と、リクリット・ティラバーニャの指示書レシピ(ハンス・ウルリッヒ・オブリスト編集《ドゥーイット:ザ・コンペンディウム》(2013)より)の再演が行われる。パフォーマンスを行うのは、韓国に生まれ、ウィーンに拠点を置くアーティスト、イェン・ノー、2015年にロンドンのホワイト・キューブ・ギャラリーでオノヨーコの『Fluxus event scores, Water (1964 Spring)』を再演した小林勇輝、そしてベルギーのダンス学校「p.a.r.t.s.」から帰国した仁田晶凱の3名を予定。

オノ・ヨーコ&リクリット・ティラバーニャ「共に行動すること」
会期:2016年11月24日~12月25日
会場:ASAKUSA
住所:東京都台東区西浅草1-6-16
電話番号:050-5532-3237
開館時間:木19:00〜22:00、土・日12:00~19:00
休館日:月〜水・金休(ただし予約可)
URL:http://www.asakusa-o.com

変化し続けるマカオで、グローカルに息づくアートシーン

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アジアの経済成長に併走するように諸国随一のカジノの街として発展し、近隣諸国から富豪を集めてきたマカオ。だが近年では、そのイメージを脱却しようと新たな観光施策に取り組んでいる。舵を切った国策は、同エリアのアートシーンにどんな影響を与えているのか。現地に取材したレポートを届ける。

変化しつづけるマカオのいま

 中国の特別行政区・マカオは、19世紀後半から20世紀にかけてのポルトガル統治時代に建造された教会など豊富な世界遺産と、世界最大規模のカジノで各地から多くの観光客を惹きつける街だ。2002年にカジノ経営権を独占していた実業家、スタンレー・ホーの時代が終わり、香港やアメリカの企業がマカオでのカジノ経営に乗り出したことから、同国の様相は様変わりした。ショッピングモール、スパ、カジノ、エンターテインメント施設などを敷地内に抱え持つ巨大ホテルが次々と新設。2017年には、フェリーが主な交通手段だった香港〜マカオ間をつなぐ巨大な橋の完成が、2018年には、急逝した建築家、ザハ・ハディドのデザインしたホテルのオープンが控えている。

 また、現在のマカオは中国本土だけでなく香港、韓国、シンガポール、台湾、日本などアジア諸国からの観光客を誘致しようと、カジノなどに起因する「男性向けエンターテインメント・リゾート」というイメージの脱却を試みている。長期滞在するファミリー向けのミニキッチンを備えたホテルを新設するなど、女性やファミリー向けのリゾートへと大きく方向性をかえた。

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カジノ、ショッピングモール、アミューズメント施設、スパなどを敷地内に備えた巨大ホテルが次々にオープンしているマカオ

マカオのアートシーンを一望する取り組み

 こうした変化は、マカオのアートシーンの振興につながっている。既存文化施設には、女性やファミリー向けの観光コンテンツとして改めて光が当てられ、新たなアートイベントが開催。結果として、地元アーティストの活動の後押しにつながった。マカオ最大の美術館、マカオ芸術博物館では、現地のアーティストを紹介することでアートシーンのトレンドを示そうと試みられている。また、ポルトガル風の建築群が並ぶラザロ地区にある「アルベルグSCM」では、コンテンポラリー・アートのギャラリーが複数入居し、マカオの現代作家の活動を盛り上げている。「マカオ・アート・フェスティバル」は、演劇、ダンス、絵画など様々なジャンルのアーティストが参加し、毎年1か月間、開催されているイベントだ。この国らしく、楽しさや煌びやかさを優先させたエンターテインメント色の強い内容となっている。

 いっぽうで2015年12月に開催されたアートイベントの「Art MO」は、観光の視点からマカオのアートやカルチャー・シーンをつなぎ、「見える化」する試みだ。「マカオ・チェンバー・オブ・コマース・オブ・カルチャー・アンド・アート・インダストリー」が主催している。

 具体的な内容としては、マカオ半島に点在する文化芸術施設を回遊しやすくするためにオリジナルの地図を作成し、期間中に無料バスで運行するというものだ。多くの観光客が移動にタクシーを使用し、目的地にダイレクトに移動してしまうマカオでは、「まだ知られていない場所」と観光客が出会うことは難しい。そこで、Art MOでは著名な文化施設から一般の観光ガイドでは紹介されないオルタナティブ・スペース、若手クリエイターの運営する小さなアートスペースまでを同時にピックアップして紹介しているのだ。回遊地には、聖ポール天主堂跡などの世界遺産やマカオ・ミュージアム・オブ・アート、4階建てのビルにスタジオ、展示スペース、カフェなどを備えた「マカオ・デザインセンター」、倉庫を改修したギャラリーの「アート・フォー・オール・ソサエティー」などが含まれ、マカオのアートスポットを満喫することができる。

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Art MOのスポットのひとつ、マカオ・タワーのロビー。若手作家の作品展示が行われていた

 Art MOは、アートやカルチャーに感度の高い観光客にマカオのクリエイティブシーンを提示するだけでなく、地元の若者のアートやデザインに対する関心を高めることにも貢献している。近年のカフェブームやクラフト・マーケットの隆盛などは、その一端ともいえるだろう。マカオ政府が観光誘致のために仕掛ける施策が、今後どのように広がっていくのか。注目していきたい。

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Art MOの回遊地のひとつとして名を連ねるマカオ・デザインセンター。地上4階、地下1階の施設に、スタジオ、カフェ、書店、ショップなどを備え、展覧会やイベントが開催されている。マカオと海外のデザインシーンをつなぐ複合施設になっている
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多くの観光客でにぎわう世界遺産、聖ポール天主堂の近くにある「フルゲント・アート・ギャラリー」。Art MOの回遊地のひとつになっている

気概を見せるオルタナティブ・アートスペース

 Art MOでも紹介されているアートスポットのひとつに、コンテンポラリー・アートに主軸を置いて活動するオルタナティブ・アートスペース、「OX ウェアハウス」がある。ネオンの眩しいカジノ街からは少し離れ、人々の生活が垣間見えるマカオ半島の北部、ファティマ堂区に、2002年にオープンした。

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OX ウェアハウスの外観

 「OX ウェアハウス(牛房倉庫)」という名称は、施設がもともと牛舎だったことに由来する。牛飼いが暮らしていた母屋の2階と隣接する牛舎を展示スペースとして改修しており、陶芸教室や子供のワークショップのためのスペース、カフェを併設する。以前は、非営利団体「オールド・レディーズ・ハウス・アートスペース」として別の場所で活動していたが、政府の援助を受けて2002年に設立。その活動は、地域住民に広く知られている。

 OX ウェアハウスは、「マカオのアートシーンに実験的なプラットフォームを提供する」という理念を掲げ、現代美術展を定期的に開催している。同施設のディレクターであり、展覧会を数多く企画しているマカオ出身のキュレーター兼アーティスト、ビアンカ・レイは、「マカオではコンテンポラリー・アートに親しみを感じ、支援しようと考える人はまだ少ない。地元アーティストを支援することに限らず、多くの人に理解してもらえるように活動しています」と話す。

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OXウェアハウスのディレクター、ビアンカ・レイ

 ビアンカは、ロンドンのミドルセックス大学でファインアートの修士課程を修了。インディペンデントなアートシーンを生み出し育てていくことを、志してきた。「コンテンポラリー・アートを理解してもらう土壌をつくっていきたい。マカオだけではなく、アジアで活動する現代美術作家同士のネットワークを構築したい」と語る言葉どおり、OX ウェアハウスが紹介してきた作家には、マカオのみならず中国各地、香港、台湾、韓国、日本のアーティストたちが名を連ねる。表現も絵画、インスタレーション、パフォーミングアーツ、映像、音楽など実に多彩。ジャンルにとらわれず、勢いのあるものを積極的に取り上げているのが見て取れる。

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OX ウェアハウスには陶芸教室用の専門工房があり、アーティストが制作に利用している

 OX ウェアハウスは、最新のアートシーンを見せていこうという気概を持ち、観光客だけでなく地元の人々に対しても存在感を示すことに成功している、数少ないギャラリーだ。地元作家の発掘や育成に取り組み、アジア圏との接続を試みる同施設は、マカオのアートシーンにおける今後の成長の核となるだろ。

Art MO
住所:20 Floor AIA Tower, Av. De Commercial 301, Macao
電話番号:+853-6571-3347
URL:art-mo.com
牛房倉庫 OXウェアハウス
住所:No Cruzamento da Av. do Coronel Mesquita com a Av. Almirante Lacerda Macau
電話番号:+853-2853-0026
開館時間:12:00~19:00
休館日:火休
URL:oxwarehouse.blogspot.jp

日本美術と伝統芸能に触れる新春企画、東博で1/2より開催!

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東京国立博物館(上野)で、日本美術や伝統芸能に触れる新春企画「博物館に初もうで」が開催され、同館が所蔵する国宝が限定公開される。その他、和太鼓や獅子舞、落語といったお正月らしい催し物を予定。期間は2017年1月2日〜29日。

 東京国立博物館の新春恒例行事となった2003年より実施されている「博物館に初もうで」は、毎年お正月に日本文化に触れることのできるイベントとして人気を博している。2016年は開幕後2日間で来場者が約1万超を数えた。

 2017年のイベントでは、長谷川等伯《松林図屏風》(16世紀)や《扇面法華経冊子》(12世紀)といった、同館所蔵の国宝が限定公開される。普段なかなか目にすることができない国宝を一堂で鑑賞できる貴重な機会だ。その他、干支の「酉」に関連した作品や、松竹梅や鶴、富士山など、吉祥をテーマにした作品を展示。さらに美術品展示のみならず、和太鼓、獅子舞、落語や生け花といった伝統芸能に触れることのできる多様な催し物も予定されている。

 この機会に「日本文化の玄関口」である東京国立博物館を訪れ、美術で新春を感じてみてはいかがだろうか。

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作者不詳 扇面法華経冊子 12世紀
博物館に初もうで
会期:2016年1月2日~1月29日
会場:東京国立博物館
住所:東京都台東区上野公園13-9
開館時間:9:30~17:00
休館日:月休(9日は開館、10日は休館)
入館料:一般 629(520)円 / 大学生 410(310)円 
※( )内は団体料金
※高校生以下、および満18歳未満と満70歳以上は無料
※障がい者とその介護者1名は無料
URL:http://www.tnm.jp/


【イベントスケジュール】
日時:2017年1月2日
10:30 和太鼓(批魅鼓)
11:10 曲独楽(三増紋之助)
    落語(三遊亭歌奴)
11:50 獅子舞(東都葛西囃子中村社中)
13:10 和太鼓(批魅鼓)
13:50 曲独楽(三増紋之助)
    落語(三遊亭歌奴)
14:30 獅子舞(東都葛西囃子中村社中)
15:10 ニューイヤーオペラコンサート(カンターレ2020)


日時:2017年1月3日
10:30 和太鼓(湯島天神白梅太鼓)
11:10 曲独楽(三増紋之助)
    落語(三遊亭歌奴)
11:50 獅子舞(東都葛西囃子中村社中)
12:30 クラリネット・コンサート(ジュリアンズ)
13:10 和太鼓(湯島天神白梅太鼓)
13:50 曲独楽(三増紋之助)
    落語(三遊亭歌奴)
14:30 獅子舞(東都葛西囃子中村社中)
15:10 クラリネット・コンサート(ジュリアンズ)
※雨天時は、場所を変更、または中止になることがあります


【関連イベント】
・寛永寺根本中堂特別参拝
日時:2017年1月2日、3日 10:00~15:00
根本中堂、徳川歴代将軍の肖像画[油画]、四天王像[江戸時代・元和6年(1620年) 台東区登録文化財]、十二神将像[江戸時代・元禄15年(1702年)]を公開。

・VR作品無料上演『江戸城の天守』(仮)
日時:2017年1月2日、3日
上演時間:10:00、11:00、12:00、13:00、14:00、15:00、16:00
会場:東洋館ミュージアムシアター
定員:各回ともに90名
※上演時間を一部変更する場合があります
※鑑賞には東洋館前で9:30より配布する整理券が必要です

ゴッホに憧れた"世界のムナカタ" あべのハルカスで棟方志功展

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あべのハルカス美術館(大阪)にて、版画家・棟方志功の大規模な回顧展「わだばゴッホになる 世界の棟方志功」が開催されている。会期は2017年1月15日まで。

 木版画で知られる棟方志功(1903〜1975)は、画家を志して21歳で青森から上京し、版画作品の制作を開始。棟方自身が「板画」と呼んだ木版画の作品群は世界的に評価され、1956年のヴェネチア・ビエンナーレでは「国際版画大賞」に選ばれた。50代で片目を失明してもなお精力的に作品制作を続け、1970年には文化勲章を受賞している。 

 本展タイトルの「わだばゴッホになる」とは、生涯ゴッホを敬愛した棟方の発言に由来している。我流で新たな絵画を生み出したゴッホにならって、生涯師匠につくことなく独自の表現を模索した。自ら手がけた墓のデザインも、ゴッホのものを参考としたという。

 本展では、代表作の仏教をモチーフとした木版画のほか、「倭画(やまとが)」と称された肉筆画、谷崎潤一郎による小説の挿絵、美人画なども紹介。初期から晩年までの代表作約60件を、時代順に「戦前・戦中 板画家への道のり」「戦後 世界のムナカタ」「晩年 津軽」の3つの章に分けて展示する。

わだばゴッホになる 世界の棟方志功
会期:2016年11月19日~2017年1月15日
会場:あべのハルカス美術館
住所:大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43
電話番号:06-4399-9050
開館時間:10:00~20:00(土日月祝は〜18:00)
休館日:12月31日、1月1日
URL:www.aham.jp

今冬のギフトにいかが? ダリが手がけた香水セットが発売

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東京・国立新美術館で開催中の「ダリ展」(12月12日まで)を記念し、ダリの香りが5種類楽しめるフレグランス・ミニチュアセット「レジェンドコレクション」が12月1日に発売される。同セットには、日本未発売の香り2種も同梱されている。

 20世紀でもっとも有名な、かつ多才な芸術家のひとり、サルバドール・ダリ。その創作は香水にまでおよんでいたことをご存知だろうか。ダリが香水の制作に着手したのは、1981年。《クニドスのアフロディテの出現》を仕上げたあとに、美と愛の女神アフロディテの官能的な鼻と唇からインスピレーションを得て、香水のボトルをスケッチした。

 初の香水が完成したのはその2年後である1983年。それは、妻であり、ミューズでもあったガラへささげた「ダリ パルファンドトワレ」だ。ガラの好きなバラとジャスミンをふんだんに使用した豪華な香りを持つこの香水は、当時、鼻と唇をかたどったユニークなボトルとともに、多くの香水ファンの注目を集めたという。

 今回、ダリ展で発売される「レジェンドコレクション」には、この日本未発売の「ダリ パルファンドトワレ」をはじめ、対になる男性用のフレグランスで同じく日本未発売の「ダリ プールオム オードトワレ」もセット。このボトルも絵画のモチーフから生まれ、唇とアゴを表すダリらしさがあふれる造形となっている。

 クリスマスが近づく12月、奇才・ダリが手がけた香水をギフトにしてみてはいかがだろうか。

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5つの香水がセットになった「レジェンドコレクション」。(左から)「イティズドリーム オードトワレ」、「ダリライト オードトワレ」、「ルロワソレイユ パルファンドトワレ」、「ダリ プールオム オードトワレ」、「ダリ パルファンドトワレ」

サルバドール・ダリ レジェンドコレクション
発売日:2016年12月1日
容量:各5〜8ミリリットル
価格:5400円(税込)
販売場所:国立新美術館「ダリ展」特設ショップおよびPAMインターナショナルECサイト
URL:http://shop.parfums-salvadordali.jp/
美術手帖 2016年10月号 特集 サルバドール・ダリ
妻・ガラとの関係や、その生涯に迫ることで「ダリとは何者か?」を改めて問い直す。表紙と巻頭グラビアは二階堂ふみ。
編集:美術出版社編集部
出版社:美術出版社
判型:A5判
刊行:2016年9月17日
価格:1728円(税込)

初台で身体と現象を表現する早川祐太の個展が開催中

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自然界の現象を取り入れたインスタレーションや立体作品を制作している早川祐太の個展「about body」が、ハギワラプロジェクツ(東京・初台)にて12月25日まで開催されている。

 1984年生まれの早川祐太は空気や水を利用し重力や浮力といった自然現象に着目したインスタレーションや、軽量粘土を用いた立体作品によって、現象を視覚化する空間を提示してきた。

 軽量粘土を使って成形のプロセスに着眼した《body》(2016)は、作家が加えた力に対して素材が反発する力で生成されるかたちを残しながら造形していくことで、複雑な力の集積が形態として出現しており、どこか生命力を感じさせるようだ。

 本展では、《body》の素材をブロンズに置き換えた彫刻作品と彫刻の部分を撮影された写真作品を発表。「存在すること」への問いを、身体と現象の関わりを通して表現する。

早川祐太「about body」
会期:2016年11月11日~12月25日
会場:ハギワラプロジェクツ
住所:東京都新宿区西新宿 3-18-2-101
電話番号:03-6300-5881
開館時間:火〜土 11:00~19:00、日 12:00〜17:00
休館日:月祝休、11月28日〜12月12日
URL:www.hagiwaraprojects.com

ピナ・バウシュの代表作『カーネーション』、28年ぶりに上演!

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ダンスと演劇が共演する「タンツテアター」(ダンス演劇)による話題作を次々に発表し、20世紀のダンス・演劇界を変えたと言われている振付家、ピナ・バウシュ。その代表作のひとつである『カーネーション--NELKEN』が、1989年以来、28年ぶりに日本で上演される。

 舞台一面を埋め尽くした無数のカーネーション畑。そこに現れる一人の男性ダンサーが、ジョージ・ガーシュウィンの「The Man I Love(私の愛する人)」を手話で語る。あるいは正装した男女のダンサーが春夏秋冬の仕草で踊りながら、一列で歩む──これらは『カーネーション』に登場する一場面だ。

 ピナ・バウシュは1970年代より、質問をダンサーに投げかけ、その答えを選んでコラージュしていく創作手法を始める。ダンサーたちは、言葉や動き、歌などでその問いに対する答えを表現しながら、自分自身と向き合うことを余儀なくされた。本作は、多種多様な背景を持つダンサーたちの記憶や人生経験が、ピナによって構成された作品となっている。

 2009年にピナが逝去してからも、彼女が芸術監督を務めていた「ヴッパタール舞踊団」がその意志を継ぎ、『カーネーション』は世界各国で上演されてきた。1982年の初演以来、上演回数は200回を超えるなど、その評価は高い。日本では28年ぶりの上演となるこの機会をお見逃しなく。

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『カーネーション―NELKEN』より © Oliver Look

カーネーション―NELKEN
日時:2017年3月16日・17日 19:00開演、3月18日 15:00開演、3月19日 14:00開演
会場:彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
住所:埼玉県さいたま市中央区上峰3-15-1
電話番号:0570-064-939
料金:S席 11000円(7000円) / A席 7000円(5000円) / B席 5000円(3000円) ※税込・全席指定、()内は25歳以下対象のU-25チケット
チケット発売日:2016年12月3日

永遠の死者たち。映画『ダゲレオタイプの女』

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世界最古の撮影技法「ダゲレオタイプ」に魅了された人々が繰り広げる愛憎と悲劇を描いた映画『ダゲレオタイプの女』が、10月15日よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほかで公開されている。本作は、日本映画の第一線で活躍する黒沢清がオールフランス・ロケ、外国人スタッフ・キャストで挑んだ、自身初の海外進出作品。

 "ホラー映画の巨匠"黒沢清の新作、オールフランス・ロケ、外国人キャストによる「海外初進出作品」には、誰が見ても意外としかいいようのないプロットが設定されていた。何しろ映画の中で狂言回しとして重要な役目を果たすのが、「世界最古の写真技法」であるダゲレオタイプなのだ。

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映画『ダゲレオタイプの女』より
© Film-In-Evolution - Les Productions Balthazar - Frakas Productions - LFDLPA Japan Film Partners - ARTE France Cinéma

 フランスの画家、ルイ・ジャック・マンデ・ダゲール(1787〜1851)が発明したダゲレオタイプの技法が公開されたのは1839年である。金属板の上に画像を定着し、現実世界を細部までくっきりと再現できるダゲレオタイプの能力に、人々は驚きの目を見張った。鏡のように磨き上げられた原板の表面に浮かび上がる、ネガとポジとが一体化した像の、魔術的と言えるような妖しい美しさも、この技法があっという間に世界中に広がっていくのに一役買ったはずだ。

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映画『ダゲレオタイプの女』より
© Film-In-Evolution - Les Productions Balthazar - Frakas Productions - LFDLPA Japan Film Partners - ARTE France Cinéma

 1850年代に、ガラスネガを使用する、より簡便で複製が可能な湿式コロジオン法(湿板写真)が発明されると、ダゲレオタイプは急速に廃れていく。だが、そのあえかな幻のような画像の魅力は、その後も多くの写真家の心をとらえ続けてきた。『ダゲレオタイプの女』に登場する写真家ステファンも、ダゲレオタイプに取り憑かれているという役柄だ。彼は助手のジャンの力を借りて、娘のマリーを等身大のダゲレオタイプに撮影しようとしている。露光時間はなんと70分。その間、身動きせずにじっとしていなければならないので、彼女は拷問器具のような金具で全身を固定されている。どうやら、筋弛緩剤のような危険な薬物も使用しているようだ。

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映画『ダゲレオタイプの女』より
© Film-In-Evolution - Les Productions Balthazar - Frakas Productions - LFDLPA Japan Film Partners - ARTE France Cinéma

 映画はその後、事故にあったマリーとそれを助けたジャンが、生と死の閾をさまよう物語として展開していく。それが、あたかも生者を死者のような姿で金属板に封じ込めてしまう、ダゲレオタイプをメタファーとしていることは言うまでもない。左右逆像に写るダゲレオタイプの世界では、死者こそが永遠であり、生者はかりそめの姿に過ぎない。そんな逆説を、黒沢は最後まで描ききろうとしたのだろう。

飯沢耕太郎(写真評論家)=文

『美術手帖』2016年11月号「INFORMATION」より)

映画『ダゲレオタイプの女』
公開:2016年10月15日よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほか
監督:黒沢清
出演:タヒール・ラヒム、コンスタンス・ルソー、オリヴィエ・グルメ
配給:ビターズ・エンド
URL:http://www.bitters.co.jp/dagereo/index.html

「彫刻」がテーマのシリーズ展がスタート 初回は袴田京太朗展

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「彫刻」をキーワードとして、都内2か所のギャラリーで行われる展示シリーズ「Unknown Sculpture」が11月18日よりスタートした。袴田京太朗による個展を皮切りに、1年以上にわたって6組の作家による展覧会とトークイベントが開催される。

 void+(東京・表参道)とgallery21yo-j(東京・世田谷)の2か所が会場ととなる「Unknown Sculpture」は、6つの展覧会とトークイベントで構成される。インディペンデント・キュレーターのカトウチカが企画を担当し「現在の彫刻がその輪郭を無くし、変身と拡散を進めるなかで、いまだ彫刻の本質的な何かを持ち続けている作家と、他のメディアから入りながら彫刻に最接近してしまった、あるいは、はからずも彫刻となってしまったと思われる作家」による作品を「Unknown Sculpture」と称して紹介する。

 参加作家は、袴田京太朗、利部志穂、大西伸明、髙山陽介、髙田安規子・政子、末永史尚。各作家が順に個展を開催するほか、各展覧会にあわせ、沢山遼、成相肇、森啓輔の3名からゲストを迎えてのトークイベントが開催される。会期終了後には、個展の記録とトークのテキストを収録した記録集も刊行される予定。

 現在は、void+にて12月22日まで袴田京太朗による「立つ女─複製」展が開催中。カラフルなアクリル板の積層による彫刻作品などを手がける袴田が、合理的な生産手段でありながら無数の偽物を生み出す「悪魔の方法論」としての「複製」の概念に着目し、制作した新作を発表している(トークイベントは終了)。

Unknown Sculpture
#1 袴田京太朗
会期:2016年11月18日〜12月22日
会場:void+
住所:東京都港区南青山3-16-14 1階
電話番号:03-5411-0080
開館時間:14:00〜19:00
休館日:日、月、祝
URL:http://www.voidplus.jp

#2 利部志穂
会期:2017年1月7日〜1月22日
会場:gallery21yo-j
住所:東京都世田谷区等々力6-24-11
電話番号:03-3703-7498
開館時間:14:00〜19:00
休館日:会期中無休
URL:http://gallery21yo-j.com

#3 大西伸明
会期:2017年1月29日〜2月13日
会場:gallery21yo-j

#4 髙山陽介
会期:2017年8月予定
会場:gallery21yo-j

#5 髙田安規子・政子
会期:2017年12月予定
会場:void+

#6 末永史尚
会期:2018年1月予定
会場:gallery21yo-j
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