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Channel: bitecho[ビテチョー]
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透明と不透明の「半透明」な世界 ギャラリーαMで越野潤個展

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透明なアクリル板に不透明な黄色い塗料を着色することによって生み出す「半透明」な作品。シンプルな色の作品を使って空間をコラージュする展示を手掛けてきた越野潤の個展「Translucent/Surface」がギャラリーαM(東京)にて4月9日より開催される。本展は埼玉県立近代美術館主任学芸員の梅津元がゲスト・キュレーターとして企画する展覧会シリーズ「トランス/リアル - 非実体的美術の可能性」の第1弾となる。

 本展覧会シリーズは「トランス/リアル」をテーマとし、タイトルの一部である「トランス(trans)」という接頭語をそれぞれの展覧会名につけた、10作家7本の企画展によって構成される。

 武蔵野美術大学によって非営利目的で運営されているギャラリーαMは、現代美術作家の発見と育成を目指し、毎回ゲスト・キュレーターによって年間約5〜7件の展覧会を企画。越野潤の「Translucent/Surface」展が「トランス/リアル - 非実体的美術の可能性」の幕開けとなる。

 本展では、長方形型の透明なアクリルに不透明なシルクスクリーンで絵具を塗装した作品を壁に設置。「Translucent/Surface」の「Translucent」とは英語で「半透明」の意で、透明な支持体と不透明な塗料のかけ合わせによって、鑑賞者の視覚体験において半透明を成立させている。また、塗料に色彩を使用することによって、作品を光源に見立て、見えない光が行き渡る範囲を作品のテリトリーとし、展示空間における作品の存在感を最大限に引き出すことを試みている。

 越野潤は1967年大阪府生まれ。京都市立芸術大学大学院美術研究科修士課程を修了した後、関西を中心に活動し、これまでシンプルな色に着彩した作品を用いて、展示空間をコラージュする展示を手掛けてきた。

 ゲスト・キュレーターの梅津は越野の本作品について「透明な芸術世界と不透明な現実世界のインターフェイス」であると表現している。半透明な作品が放つ光の空間を、ギャラリーで体感してみてはいかがだろうか。

αM2016「トランス/リアル - 非実体的美術の可能性 Vol.1 越野潤」
会期:2016年4月9日~5月14日
会場:ギャラリーαM
住所:東京都千代田区東神田1-2-11アガタ竹澤ビルB1F
電話番号:03-5829-9109
開館時間:11:00〜19:00
休館日:日、月、祝
URL:http://gallery-alpham.com

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