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Channel: bitecho[ビテチョー]
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アピチャッポンの映像世界に迫る。TOPで「亡霊たち」展が開催

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現代美術作家、映画監督として国際的に活躍するタイのアピチャッポン・ウィーラセタクンの個展「亡霊たち」が、東京都写真美術館で開催される。本展は「亡霊」をキーワードに社会的、政治的な側面に焦点を当て、同館の映像コレクションを中心にアピチャッポンの軌跡をたどる。会期は12月13日〜2017年1月29日。

 タイのチェンマイを拠点に活動するアピチャッポン・ウィーラセタクンは、タイの東北地方を舞台に、伝説や民話、個人的な森の記憶や夢などを題材にした、静謐かつ叙情的な映像作品を制作している。インディペンデントに活動を続け、ドキュメンタリーとフィクションを行き来する作品を多数発表。長編映画『ブンミおじさんの森』(2010)が、同年のカンヌ国際映画祭で母国初のパルムドール(最高賞)を受賞し、話題を呼んだ。2015年には、最新作『光りの墓』が公開されている。(日本公開は2016年)

 1998年より現代美術作家として、数多くの映像インスタレーションやパフォーマンスを手がけている。2015年には、韓国・光州のアジアン・アート・シアターで初パフォーマンス作品《Fever Room》(2015)を発表、2016年9月には「さいたまトリエンナーレ」にて《Invisibility》(2016)を発表するなど、ますます活動の場を広げている。

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アピチャッポン・ウィーラセタクン 悲しげな蒸気 2014 ライトボックス、昇華型熱転写方式

 本展では、アピチャッポン作品に通底する重要な要素である「亡霊=Ghost」をキーワードに、社会的、政治的な側面に焦点を当てた作品を紹介。かつて罪のない農民たちの大量殺戮が行われたナブア村の歴史を10代の少年たちを通して考察する「プリミティブ」プロジェクトの一環として制作された《Ghost Teen》(2009)などを展示する。あわせて、作家本人が選んだ短編映像の上映プログラムやシンポジウムも予定。メディアを領域横断的に用いるアピチャッポン作品の世界観を、美術館で体感できる機会となっている。

アピチャッポン・ウィーラセタクン 亡霊たち
会期:2016年12月13日~2017年1月29日
会場:東京都写真美術館
住所:東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
電話番号:03-3280-0099
開館時間:10:00~18:00(木・金は〜20:00、2017年1月2日・3日は11:00〜18:00、入場は閉館の30分前まで)
休館日:月(祝日の場合は開館、翌日休館)、年末年始(12月29日〜2017年1月1日)
観覧料:一般 600円 / 学生 500円 / 中高生・65歳以上 400円
URL:http://topmuseum.jp/


【関連イベント】
・シンポジウム「映像の不可視性をめぐって」
日時:2016年12月18日 15:00〜17:30 ※日英通訳付き
会場:東京都写真美術館 1階ホール
定員:190名(整理番号順入場、自由席、当日10:00より1階ホール受付にて入場整理券を配布)
出演:アピチャッポン・ウィーラセタクン、四方田犬彦(映画研究者)、富田克也(映画監督)、相澤虎之助(映画監督/脚本家)

・担当学芸員によるギャラリートーク
日時:会期中の第2・第4金曜日、2017年1月3日 16:00〜
参加方法:展覧会チケット(当日消印)を持参のうえ、3階展示室入口集合

・上映「アピチャッポン本人が選ぶ短編集」
日時:2016年12月13日〜2015年1月5日 19:00(開場18:45)
※但し、2017年1月2日、1月3日は13:00〜
料金:当日一般 1500円 / 学生 1200円 / 中高生・65歳以上 1000円ほか

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