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Channel: bitecho[ビテチョー]
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これ、写真? 森村泰昌の「扮装ポートレート」大阪でお披露目!

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美術家・森村泰昌がフィンセント・ファン・ゴッホに扮したポートレート《肖像/ゴッホ》を発表したのが、約30年前。その後、作家自身が名画の登場人物に扮するこのシリーズは、ヴェネチア・ビエンナーレをはじめ、国内外で数々の評価を受けてきた。森村自ら「集大成」と宣言する展覧会「森村泰昌 :自画像の美術史─『私』と『わたし』が出会うとき」が、出身地である大阪の国立国際美術館にて、4月5日より開催される。

 森村の「自画像的作品」は、自らが絵画の中の人物や歴史上の有名人に扮し、セルフ・ポートレイトとして制作されたもの。たんなるコピーではなく、美術史的観点からその作家や作品を紐解き、自身の解釈や考えから再構築して作品に落とし込んでいる点も、魅力のひとつだ。

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森村泰昌 自画像の美術史(証言台に立つルブラン) 2016 作家蔵

 本展を含め、森村の個展のタイトルには、しばしば「私」という言葉が使われてきた。「自画像的作品」は、自画像の中に描かれているたくさんの「私」とその絵を見つめる作家自身の出会いから着想されたものだという。本展では、2部構成で「私」の問題に迫る。

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森村泰昌 自画像の美術史(マグリット/三重人格) 2016 年 作家蔵

 第1部ではレオナルド・ダ・ヴィンチやゴッホをはじめ、青木繁やアンディ・ウォーホルなど、古今東西の芸術家の作品に焦点を当てた「自画像的作品」を展示。新作約50点を含む、134点が一堂に公開される。

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森村泰昌 映像作品《「私」と「わたし」が出会うとき―自画像のシンポシオン―》(2016 、作家蔵)より

 第2部では、映像作家の藤井光とタッグを組み、自身初となる長編映像作品を発表。森村が扮する12人の芸術家たちと森村自身が登場し、それぞれの独白を通じて「私とは何か」を探る。

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森村泰昌 自画像のシンポシオン 2016 作家蔵

 さらに会期中10回にわたり、森村のパフォーマンスとともに「美術史における自画像作品」に迫る講座「新・美術寺子屋/自画像の話」も開催。今まで眺めていたあの自画像たちが、少し違って見えるようになるかもしれない。

森村泰昌:自画像の美術史─「私」と「わたし」が出会うとき
会期:2016年4月5日~6月19日
場所:国立国際美術館
住所:大阪市北区中之島4-2-55
電話番号:06-6447-4680
入場料:一般 1300円/大学生 900円/高校生 500円
   (※中学生以下無料)
開館時間:10:00〜17:00(金曜日は19:00まで)
    (※入場は閉館の30分前まで)
休館日:月休(ただし5月2日は開館)
URL:http://www.nmao.go.jp

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