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東京都写真美術館リニューアル・オープンは杉本博司の展覧会

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9月3日に東京都写真美術館(恵比寿)がリニューアル・オープンする。大規模改修後、初の展覧会を飾るのは杉本博司の「ロスト・ヒューマン」展。新たな美術館の幕開けとともに、世界初公開の新作も展示される。

 杉本博司は1970年代よりニューヨークを拠点に活動。大型カメラを用いた精緻な写真表現で脚光を浴び、代表作にはニューヨークのアメリカ自然史博物館の古生物や古代人を再現した模型を撮影した「ジオラマ」、世界各国の海を撮影した「海景」、そして映画館で上映中シャッターを開き続けてスクリーンを撮影した「劇場」シリーズなどがあげられる。また現代美術作家に留まらず、古美術蒐集家、文筆家、演出家と、多方面で活躍している。

 本展は3つのテーマで構成されており、まず「今日 世界は死んだ もしかすると昨日かもしれない」という杉本のテキストを端緒とした、文明が終わる33のシナリオから始まる。《理想主義者》《比較宗教学者》《コンテンポラリー・アーティスト》からの視点になぞらえ、終末を迎えようとする歴史や文明について、杉本自身が蒐集した古美術、化石、資料などを設置したインスタレーションを展開。2014年にパレ・ド・トーキョー(パリ)で開催した個展を東京バージョンとして新たに制作、最悪の未来を夢想したシナリオから現代社会への再考を鑑賞者に問いかける。

 世界初公開となる「劇場」シリーズを発展させた「廃墟劇場」シリーズでは、かつてアメリカ各地の廃墟と化した劇場でスクリーンを張り直して映画を投影し、上映1本分の光量で長時間露光した作品を発表。その他、10年以上にも及ぶ歳月を費やしたシリーズ「仏の海」は、京都の蓮華王院本堂(通称、三十三間堂)の千手観音を撮影した写真作品の新作インスタレーションとなっている。

 9月3日には作家本人とゲストによる連続対談、会期中にはギャラリートークを予定。また、連動企画として恵比寿ガーデンシネマでは、杉本がボストンの廃墟となった劇場で撮影のために上映した黒澤明監督の映画『羅生門』を上映する。「TOP MUSEUM」の愛称で生まれ変わった東京都写真美術館で掲げられた本展のテーマ「人類と文明の終焉」から、未来の行く末に思いをめぐらすことができるだろう。

杉本博司「ロスト・ヒューマン」展
会期:2016年9月3日~11月13日
会場:東京都写真美術館 2階・3階展示室
住所:東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
電話番号:03-3280-0099
開館時間:10:00~18:00(木、金は20:00、9月9日〜10日は21:00まで)
休館日:月休(ただし月曜日が祝日の場合は開館し、翌火曜日休館)
観覧料:一般 1000円 / 学生 800円 / 中高生・65歳以上 700円 ※10月1日(土)都民の日は無料
URL:https://topmuseum.jp/

【関連イベント】
連続対談
日時:2016年9月3日 14:00〜16:30
出演:浅田彰(批評家、現代思想)×杉本博司
   都築響一(写真家、編集者)×杉本博司
会場:東京都写真美術館 1階ホール
定員:190名(整理番号順入場/自由席)
入場料・無料(要入場整理券 ※当日10時より1階ホール受付にて入場整理券を配布します。)

学芸員によるギャラリートーク
日時:2016年9月9日、9月23日、10月14日、10月28日、11月11日 (すべて14:00〜)
※展覧会チケット(当日消印)でお持ちのうえ、3階展覧会入口にお集りください。

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