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新しい平面の作家たちに出会う「VOCA展2016」上野の森で

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学芸員や美術史家などが推薦する40歳以下の若手作家の作品を展示し表彰するVOCA展。今年で23回目を迎える同展が、3月12日より上野の森美術館にて開催される。今回は32作家の作品の中から久門剛史が大賞である「VOCA賞」に輝いた。

 「VOCA」とは「The Vision of Contemporary Art」の略称。1994年のスタート以来、第一生命保険の支援により、毎年開催している。対象を平面作品に限定しているが、絵画という呼び方は使用せず、平面における表現の多様性と時代の動向を柔軟に受け容れており、過去の出展作家の顔ぶれも実に多彩だ。過去には、大岩オスカール、曽根裕、中ザワヒデキ、蜷川実花、山口晃なども同展で受賞を果たしており、VOCA展は新人作家の登竜門の一つとされている。

 今回大賞を受賞した久門剛史の作品は小さなルーペや、時計のムーブメントを使用しており、VOCA奨励賞の鈴木のぞみは写真を用いた作品、佳作賞の佐竹真紀はモニターを使用した作品となっている。各選考委員のコメントからは、近年顕著となってきたVOCA展が対象とする平面の多様さが、今年度の出展作品にはことのほか実感されたことがうかがえる。

 展覧会の副題にもあるとおり「新しい平面の作家たち」に出会えるVOCA展。そのときどきの流行や世相を映し出した若手作家たちの作品が並ぶと、平面という規定の中に、毎回違うカラーや傾向が見えてくる。日本の現代美術の定点観測、そんなつもりでVOCA展を観てみるのも面白いだろう。過去のVOCA展のアーカイブは、同展のホームページ(これまでのVOCA展)で見ることができる。

 なお、VOCA賞、VOCA奨励賞受賞作品は第一生命保険の所蔵となり、同社の本社1階にあるロビーにて展示される。その後は、第一生命ギャラリー(東京・有楽町)にて定期的に公開される予定だ。

VOCA展2016 現代美術の展望─新しい平面の作家たち
会期:2016年3月12日〜3月30日
場所:上野の森美術館
住所:東京都台東区上野公園 1-2
電話番号:03-3833-4191
開館時間:10:00〜18:00(最終入館は閉館の30分前)
休館日:会期中無休
観覧料:一般・大学生 500円 / 高校生以下 無料
URL:http://www.ueno-mori.org/exhibitions/main/voca/2016/

【関連イベント】シンポジウム「平面と時間」
日時:3月11日 15:00〜17:00
会場:上野の森美術館
パネリスト:建畠晢(司会)、本江邦夫、笠原美智子、片岡真実、島敦彦、藤本由紀夫(アーティスト) ※敬称略
定員:150名(要申込)
申込み方法:FAXまたはメールによる申込み。詳細はVOCA展2016ホームページ参照

【関連イベント】受賞作家によるアーティスト・トーク
日時:3月12日、19日、29日 各日15:00〜16:00
会場:上野の森美術館

3月12日 谷原菜摘子(VOCA奨励賞)、佐竹真紀(佳作賞)
3月19日 鈴木のぞみ(VOCA奨励賞)、大山 エンリコイサム(佳作賞)、尾﨑森平(大原美術館賞)
3月29日 久門剛史(VOCA賞)

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