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イギリス発、LGBT映画祭をオンラインで世界に発信

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ブリティッシュ・カウンシル主催のLGBT映画祭「fiveFilms4freedom」が2016年3月16日〜27日に開催された。この「fiveFilm4freedom」は、期間限定で世界中どこからでもインターネットを通じて作品を鑑賞することができるグローバルなオンライン映画祭であり、オーディエンスが感想をツイートするソーシャルメディアを使ったキャンペーンも話題となった。今年が2回目の開催となった本映画祭を紹介する。

「LGBT」はレズビアン・ゲイ・バイセクシャル、トランスジェンダーという性的少数派を表す言葉であり、近年日本でも広く知られるようになった。LGBTに対する偏見への課題は残るものの、多様性のある社会の実現へ関心が向けられ、映画やアートの世界でも重要なキーワードになっている。

 オンライン映画祭「fiveFilms4freedom」では、同時期に開催される英国映画協会(British Film Institute, BFI)主催の「フレア・ロンドンLGBT映画祭」の参加作品から選出されたショートフィルム5作品を上映。2015年に開催した第1回目の反響を受けて、2016年から毎年開催される運びとなった。

 今年は3月16日から27日までの12日間、イギリス、ブラジル、アイルランド、スペイン、フィリピンの監督による作品が世界に公開された。父子のやり取りをコミカルに描いたものや、女の子たちの恋愛関係にフォーカスした叙情的な作品、主人公の心理をきめ細やかに追った作品など、さまざまなラインナップとなっており、たんにLGBTにフォーカスするだけでなく、どの作品も多様性への気づきを促す内容となっている。また、公式サイトでは作家のインタビューを見ることができ、作品に込めた思いや自国におけるLGBTをめぐる課題についても公開している。

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左上から時計回りに、映画『Swirl』(Peterson Varga、2015)、映画『Breathe』(James Doherty、2015)、映画『Take your Partners』(Siri Rodnes、2015)、映画『The Orchid』(Ferran Navarro-Beltán、2015)

 映画祭と連動して行われたキャンペーンは、ハッシュタグ「#FiveFilms4Freedom」をつけて映画の感想をソーシャルメディアで発信するというもの。ツイッターでは個人や性的少数者の団体からの感想や、映画祭のサポートを表明するツイートが多く見られた。ブリティッシュ・カウンシルによる調べでは、ハッシュタグリーチは8560万、YouTubeおよびfacebookでの視聴回数は計157万回となった。また、作品は179の国と地域で視聴された。性的指向を表明する「カミングアウト」が社会的にリスクになる人々が多く存在するなか、本映画祭のメッセージに勇気づけられる人も少なくないはずだ。

 「fiveFilms4freedom」は、LGBTの理解を声高に訴えるアクションではないが、ショートフィルムというかたちで他者への理解を深めさせてくれるチャンスだったといえるだろう。ブリティッシュ・カウンシルによると来年もオンラインでのショートフィルムを公開する予定とのこと。次回は日本からの応募やノミネートを期待したい。

fiveFilms4freedom
会期:2016年3月16日~3月27日(終了)
URL:https://www.britishcouncil.jp/programmes/arts/fivefilms4freedom

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