GLAYのTERUらが3.11の空に祈る復興支援写真展

福島県出身のミュージックフォトグラファー、管野秀夫が発起人となり、2012年夏に始まった復興支援企画写真展「#空でつながる Dearest Fukushima」が、今年で4回目を迎える。日々の空の写真を通じて、被災地へエールを送るこのプロジェクトに、人気ロックバンドGLAYのボーカル、TERUをはじめ、著名ミュージシャンが多数参加。東京・大阪の2会場でアーティストとクリエイターによる写真作品が展示される。

　本展の出品者には、TERU（GLAY）、hide（X-JAPAN）、坂崎幸之助（THE ALFEE）、浅倉大介、大黒摩季など、著名ミュージシャンの名が連なる。写真家も山岸伸、ハービー・山口、池谷友秀など個性が光る面々だ。他に、小説家や詩人、マンガ家、福島県の寺院の住職など、実にさまざまな職種や立場の人がプロジェクトの趣旨に賛同し、作品を出品している。

　展覧会は、発起人である管野の写真シリーズ「#INORI」を中心に、出品者が撮影した空の写真と被災地へのエールのメッセージ、さらにこのプロジェクトの賛同者から主催者へ送られた大量の投稿写真のコラージュを展示する。

　GLAYのTERUは2015年12月のInstagramの投稿で、本展に向けて、福島県伊達市に写真撮影に行く旨を公表した。伊達市は「#空でつながる」プロジェクトの始まりの地。今回の会場には、TERUと管野が同地で撮影した写真も並ぶ予定だ。

GLAYがデビューして間もない頃からお世話になってるカメラマンの菅野さんが、福島県・伊達市の復興プロジェクトをスタートさせ、思いを届けるために毎年、写真展を開催してます。 #空でつながる 僕は第一回目から参加させて頂いてるんですが、今回は自分の目で今の伊達市の空を見に行こうと思い、新幹線に乗り込みました。 震災から４年、来年３月１１日で５年。 東京で慌ただしく生活していると、忘れがちになってしまいますが、未だ復興には時間がかかり、未だに入れない区域があります。 GLAYのファンの子達もたくさんいます。 ３年前に訪れた伊達市。 あいにくの曇り空なんですが、来年の写真展に参加させていただくので、しっかりと、伊達市の空を撮ってきたいと思います！

TERU GLAYさん(@_t_e_r_u_)が投稿した写真 - 2015 12月 13 5:43午後 PST

　他の参加アーティストたちも、自身のtwitterアカウントなどで展覧会の告知を行っている。こちらは、X-JAPANのhideと音楽プロデューサーの浅倉大介のTwitter投稿。影響力のあるミュージシャンたちが、SNSを通じ、3月11日に向けてこうした発信をする意義は大きいだろう。

【今年もhideが参加します】いよいよ来週からスタート「 #空でつながる Dearest Fukushima vol.4 」 Photo exhibition ～5年目の空に～｜ https://t.co/bbWwXqehCN pic.twitter.com/KEHlNe0yFY

-- hide_Official (@official_hide) 2016, 3月 3

今年もエールを送ります！■東日本震災復興支援「#空でつながる Dearest Fukushima vol.4」 https://t.co/K4BkpyRRaq ■東京3/11(金)~3/16(水)■大阪4/15(金)~4/21(木) pic.twitter.com/raKCpXXjIA

-- 浅倉大介 (@daisukeasakura) 2016, 2月 29

　GLAYのTERUは、2月の仙台公演の旅の空からも「#空でつながる」のハッシュタグをつけて写真をTwitterに投稿。「3.11」や「震災」という言葉は出てこないが、多忙な音楽活動の合間にも、空を見上げることで震災を振り返る契機としているようだ。

今日の仙台の空はこんな感じ！#空でつながる pic.twitter.com/iJLUUYfupS

-- TERU (@TE_RUR_ET) 2016, 2月 17

　展覧会は3月11日より始まり、初日の14時46分には会場内での黙祷も予定されている。東日本大震災は多くの人々に被害をもたらし、福島第一原発周辺区域の「被災」は今も続いている。同展の開催に、TERUは以下のようなメッセージを寄せている。

震災から5年という月日が流れようとしてます。この流れる月日の中で、一体どれほど、空を眺めてきたでしょう？　空は区切られることなく遠くへと続いてます。きっと今、同じ空を眺めてる人がいるんだろうな？　そう思うだけで、少しだけ頑張れそうな気にさせてくれるのが、#空でつながる写真展のパワーだと思ってます。続けることは大変です。でも、大変さの中でしか生まれない意思や思いがあると思います。この写真展に参加させていただくことで、僕も、絶対に忘れない！ という意思が生まれました。これからもその意思という灯火を消すことなく、管野さんのサポートをしていけたらと思っています。TERU（GLAY）のメッセージ

　境界線のない空に、被災地との距離、震災からの時間の経過を一人ひとりが考えてみる機会になることだろう。東京での展示は3月16日まで。4月15日から大阪へ巡回する。