1961年に東京・丸の内に開館、75年に赤坂見附に移転し、2007年に現在の六本木に移転したサントリー美術館が、今年3月に六本木開館10周年を迎える。アニバーサリーイヤーとなる今年は、「美を結ぶ。美をひらく。」をテーマに、5つの企画展と様々なイベントを開催する。
サントリー美術館は、開館当初より「生活の中の美」を基本テーマとした企画展示や作品収集を行い、収蔵品は、絵画、陶磁、漆工、染織など日本の古美術から東西のガラスまで、国宝1件、重要文化財15件、重要美術品21件を含む約3000件におよぶ。
2017年は、記念展覧会として5つの企画展を開催。3月29日から5月14日までは、「絵巻マニア列伝」と題し、日本で隆盛した文学と美術の融合である「絵巻」に焦点を当て、後白河法皇や花園天皇、三条西実隆(さんじょうにしさねたか)など、歴代の絵巻愛好家に注目。絵巻の鑑賞記録などをたどりながら、絵巻マニアたちの姿を追うことで、絵巻の制作背景に迫る。

このほか、国宝《浮線綾螺鈿蒔絵手箱》の修理後初公開となる「玉手箱(仮称)」展(5月31日〜7月17日)や、体験型の仕掛けを通してサントリー美術館の名品の魅力に迫る「おもしろびじゅつワンダーランド(仮称)」展(8月1日〜31日)、室町時代に狩野派を確立した狩野元信の画業を中心に構成する「狩野元信とその時代(仮称)」展(9月16日〜11月5日)、ヨーロッパの世界的名窯として知られるセーヴル磁器製作所の名品を紹介する「フランス宮廷を彩ったセーヴル磁器(仮称)」展(11月22日〜1月28日)などがラインナップされている。
また、本年は「プレミアムトークシリーズ」と題し、様々な業界の第一線で活動する著名人と、同館学芸員が対談するトークイベントを開催。アーティストの舘鼻則孝や、ミュージシャンの坂崎幸之助、古美術鑑定家の中島誠之助、画家の山口晃など多彩なゲストが登場する。
各展覧会・イベントの詳細はサントリー美術館公式ウェブサイトをチェックしてほしい。
