世代や国籍、表現方法の異なる3人のアーティストを通じて作品と身体の間に生まれる関係性について考察するグループ展が、銀座メゾンエルメス フォーラムで開催される。参加作家はベルンハルト・ショービンガー、アンヌ・ロール・サクリスト、そしてナイル・ケティング。会期は2016年12月21日〜2017年2月26日。
スイスのジュエリー作家、ベルンハルト・ショービンガーは、割れたガラスなどのファウンド・オブジェを素材にジュエリーを制作。身につけることを前提につくられたそれらは、身体の物質性、その強さと弱さと欲望を描き出している。また、愛や権力の象徴として身につけられていた装飾品が、身体から解放されることによってその有用性を発揮するように、ショービンガーの作品には主従の曖昧な反転をみることができる。

フランスの画家、アンヌ・ロール・サクリストは、絵画における遠近法から写真や映像といった技術の発明まで、絵画表現の領域を問う作品を発表している。本展では、パウロ・ウッチェロ《サン・ロマーノの戦い》(1435-40?)に見られる詩的で幾何学的な抽象性を、京都の石庭に重ね合わせ、室内と外、部分と全体といった移ろいやすい相対的な関係を浮かび上がらせる作品を展示する。

ベルリン在住のアーティスト、ナイル・ケティングは光波や音波など不可視のマテリアル(物質)をもとに、シグナルや香りといった現象を新しい物質性の感知やコミュニケーションへと置き換えてゆく試みを行っている。本展では、近未来的な身体と物性、そして新たな公共性の知覚を提案するインスタレーションを展示する。
異なるバックグランドを持ち、様々なジャンルで活躍する3人のアーティスト。作品と身体の対峙を独自に生み出すそれぞれの表現を通じて、オブジェと身体と空間の曖昧な共犯関係を提示する。
会場:銀座メゾンエルメス フォーラム
住所:東京都中央区銀座5-4-1 8階
電話番号:03-3569-3300
開館時間:月〜土 11:00~20:00、日 11:00〜19:00(最終入場は閉館の30分前まで)
休館日:不定休(エルメス銀座店の営業時間に準ずる)