ウルトラテクノロジスト集団・チームラボはシンガポールの国家事業作品として、シンガポール国立博物館からの依頼を受け、新作《Story of the Forest》を制作、12月10日より同館にて展示する。シンガポール国立博物館は、1887年に開館したシンガポール最大最古の博物館で、2015年に建国50周年を記念し、展示を一新した。
本作でチームラボは、シンガポール国立博物館のガラスの円筒形建築をリニューアルし、大規模なインスタレーション空間を制作。作品は高さ約15メートルのドームと、その空中にかかる橋、その橋から続く全長約80メートルもの回廊で構成される恒久展示となる。
ドーム空間の空中にかけられた橋では、シンガポールの花々が時間とともに刻々と変化しながら咲きわたる、宇宙空間が無限に広がる。また、橋を渡ると続く、外壁沿いの全長約80メートルの螺旋状の回廊は、シンガポールの動植物が生息する広大でインタラクティブな森となっており、回廊を進むにつれて、朝から、夕方、夜の世界になり、実際のシンガポールの季節に合わせて乾季や雨季が訪れる。

回廊から続くドーム空間では、鑑賞者が壁に近づき立ち止まると、地面が生まれ木が生え森ができ、動物が出現。作品はコンピュータプログラムによってリアルタイムで描かれ続け、二度と同じ絵が出現することはないという。
本作について、チームラボ代表の猪子寿之は次のようにコメントしている。
2013年のシンガポール・ビエンナーレでの《秩序がなくてもピースが成り立つ》の展示が、シンガポールとチームラボとの強い関係のきっかけになりました。また、今のチームラボの国際社会での活動につながっていったと思っています。
今回は、シンガポールの歴史的な遺産から多くを学び、そして、シンガポールの素晴らしい方々と共に、非常に長い年月をかけて構想し、シンガポールに生きる花々や動物たちが生きる森をモチーフにした巨大なインスタレーション空間を創りました。美しいシンガポールの森の中を歩いたり、動植物について学んだりできるものになっているので、是非、来て、楽しんでください。