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師匠は仙厓!? 情熱の画家、ピエール・アレシンスキー展

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抽象でも具象でもない自由な世界を表現する画家、ピエール・アレシンスキー。Bunkamura ザ・ミュージアム(東京・渋谷)にて、ベルギーを代表する現代美術家のひとりである彼の、日本初の回顧展が開催されている。会期は12月8日まで。

 1927年にベルギーで生まれたアレシンスキーは、48年に結成された前衛美術集団・コブラの運動に最年少メンバーとして参加した。表現主義的な傾向が強く、激しい筆致と鮮やかな彩色を特徴とする同グループは短命に終わったものの、アレシンスキーはその後もこのような表現を継承していく。

 アレシンスキーの造形のルーツにはまた、日本美術がある。禅画の絵師・仙厓を師と仰ぎ、その洒脱な造形に感化された。加えて、文筆家としても活躍し、文字や記号に対して強い関心を持っており、日本の前衛書道家・森田子龍(1912〜98)の即興的な筆遣いにも影響を受ける。55年に日本を訪れた際には 、短編映画『日本の書』の撮影も行った。

 60年代にはマンガの表現から発想し、枠を設定して描く独自の造形様式を生み出すなど、新たな表現にも果敢に挑戦したアレシンスキーは、89歳の現在もなお、新たな作品を発表し続けている。日本初の大規模回顧展となる本展では、初期作から最新作まで約80点を紹介し、アレシンスキーの画業全体を一望できる。禅との関わりも深いため、東京国立博物館で開催中の「禅─心をかたちに─」展とあわせて鑑賞するのもおすすめだ。

ピエール・アレシンスキー展 
会期:2016年10月19日~12月8日
会場:Bunkamura ザ・ミュージアム
住所:東京都渋谷区道玄坂2-24-1
電話番号:03-5777-8600
開館時間:10:00~19:00(入館は18:30まで)
※毎週金・土曜日は21:00まで(入館は20:30まで)
休館日:10月24日
入館料:一般 1400円 / 大高生 1000円 / 中小学生 700円

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