パリ発の国際映像祭「オールピスト東京2016」が、都内各所で9月24日まで開催されている。「オールピスト(=HORS PISTES、フランス語で『道を外れる』の意)」は、これまで枠にとらわれない自由な映像を紹介してきた。今年は、「ざわめき」「動揺」を意味する「コモーション(COMMOTION)」をテーマに、新たな映像体験を繰り広げる。
「オールピスト」は、パリ中心地に位置する総合文化施設「ポンピドゥー・センター」が主催し、2006年より毎年、伝説的作品から最新の作品まで幅広い映像を上映している映像アート祭。2010年には、エグゼクティブ・ディレクターを務めるイザベル・オリヴィエとプログラム・ディレクターを務める河合政之によって「オールピスト東京」が創設された。本祭は、映像上映のみならず、シンポジウムやトーク、パフォーマンス、ワークショップ、パーティーなど、国内外よりゲストを招いてさまざまなイベントを行っている。
今年度も再びプログラム・ディレクターに河合政之を迎え、スーパー・デラックス(六本木)とアップリンク(渋谷)の2か所をメイン会場にプログラムを構成。アップリンクでは、ルーマニア出身の詩人で前衛芸術運動レトリスム(文字主義)創始者であるイジドール・イズーの『涎と永遠についての概論』や、1977年にドイツの芸術祭「ドクメンタ」で開催されたナムジュン・パイク、ヨーゼフ・ボイス、ダグラス・デイヴィスの3作家による世界初のビデオ・アート・イベントの記録映像など、ジャンル横断的な映像の上映が行われた。

クリスチャン・ボルタンスキー個展「アニミタス―さざめく亡霊たち」(東京都庭園美術館、9月22日〜12月25日)の連携プログラムとして、ボルタンスキーの初期フィルム作品がスーパーデラック(六本木)で上映されたほか、同会場ではパリ在住の画家、黒田アキをフランス人映像作家のジュスティーヌ・エマールが撮影し、渋谷慶一郎が音楽を担当した新作が初公開される。
最終日にはNOI↓OWWO(築地)にて、映像アートをテーマに議論を交わすカンファレンスやライブペインティングのパフォーマンスとともにサテライトパーティーを予定。

クリスチャン・ボルタンスキー/黒田アキ/ジュスティーヌ・エマール/渋谷慶一郎/ジャン・リュック・ヴィルムート/イ ジドール・イズー/ヨーゼフ・ボイス/ダグラス・デイヴィス/ナム・ジュン・パイク/LoVid/韓成南/Rei Nakanishi/山 本勇磨/HouxoQue/山形一生/大和田俊/西原尚/梅田哲也/山内祥太/南俊輔/河合政之/浜崎亮太/アジア公募作品セ レクションアーティスト/オールピスト・パリセレクションアーティスト
オールピスト東京2016 カンファレンス「映像・アートで世界は変わる(らない)か?――資本・言説の先に来るべきもの」
日時:9月24日 16:30〜18:30(開場 16:00)
会場:NOI↓OWWO
住所:東京都中央区築地1-10-11 RATIO築地1001号室
登壇者:津田広志、原島大輔、角尾宣信
司会:河合政之
「ニューリアル / NEWREAL」Rei Nakanishi VRライヴペインティング、山本勇磨 作品展示 + アフターパーティー
日時:9月24日 19:00〜(開場 18:30)
会場:NOI↓OWWO
住所:東京都中央区築地1-10-11 RATIO築地1001号室
入場料:1500円(ウェルカムフード付き)