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Channel: bitecho[ビテチョー]
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映画もアートもその他もぜんぶ! 京都国際映画祭2016が開催

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今年で3回目を迎える「京都国際映画祭」が、10月13〜16日に開催される。映画の上映だけでなく、街中の複数箇所でアート作品の展示や参加型のイベントが展開される4日間。初日となる13日には、世界遺産の元離宮二条城でオープニングセレモニーが行われる。日本映画発祥の地である京都で、欲張りな文化の祭典を楽しもう。

「京都国際映画祭」は、「京都映画祭」の伝統と志を引き継ぎつつ、「映画もアートもその他もぜんぶ」の標語を掲げ、映画だけでなく様々なジャンルを紹介する文化的祭典として2014年にスタートした。今年のオープニングを飾る映画は、「世界のミフネ」と呼ばれた俳優・三船敏郎のサムライ精神に迫ったドキュメンタリー『MIFUNE : THE LAST SAMURAI』(監督=スティーブン・オカザキ)。上映作品のラインナップには、社会問題に鋭く斬り込む森達也監督のドキュメンタリー作品や、「喜劇王」チャールズ・チャップリンのサイレント映画などが並ぶ。

 また、「京都国際学生映画祭」、「京都国際インディーズ映画祭」といった複数の映画祭との連携プログラムによって、若手監督の作品を積極的に紹介。他方、小津安二郎によるサイレント喜劇の傑作を活弁と生演奏つきで上映し、古き良き映画文化をしのぶ企画もある。写真家、映像作家の能勢伊勢雄によるレクチャー「実験映画史に見る『映画言語』の変革」(日程は後日発表)は、とりわけ映像表現に関心のある人は見逃せない内容だ。

 アート部門では、京都市役所前広場に、実物の自動車をバックドロップする巨大なレスラー(ジャイアント馬場)像がお目見え。パワー全開の人物を強烈なインパクトでユーモラスに表現する永井英男の作品《B-PROJECT "へそで投げろ"》(2011)だ。また、2015年に第18回岡本太郎現代芸術賞を受賞したYottaの焼き芋デコレーションカー《金時》(2010)が会場各所を周遊する。人々の笑顔を引き出し、日々の暮らしに活力を与えるようなアート作品の多いのが、本映画祭のアート部門の特徴と言えるだろう。

 約20か所の会場に、社寺や能楽堂が含まれるのも京都ならでは。西本願寺では、門主の代替わりにあたって執り行われる「伝灯奉告法要」にちなみ、「灯を伝う」をテーマに、通常非公開の重要文化財である伝道院を開放する。同会場の展示作家には、第1回から参加している明和電機や、数々のファッションブランドとのコラボレーションでも知られる河原シンスケなど。昨年12月に他界したフランスの現代美術家、ジャン・リュック・ヴィルムートの作品も会場に並ぶ。また、この西本願寺の設計を務めた伊東忠太へのオマージュとして、倉方俊輔「建築ミニチュアの世界展」と遠藤秀平「コンセプトモデル展」といった建築界からの参加も楽しみだ。

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明和電機 ヒゲ博士とナンセンス★マシーン 2014

 この映画祭の敷居を下げ、映画やアートに楽しく接することができるよう、盛り上げ役となってくれているのが、よしもと所属の芸人やアーティストたちの存在。各会場では、彼らが意外な芸才も披露している。美術館「えき」KYOTOにて、7月15日〜8月7日に開催された、よしもと所属のタレントたちによる美術展企画「よしもと美術館」の巡回や、笑い飯・哲夫が般若心境写経の根本道場である大覚寺で写経の奥深さを説く「大・哲夫塾」といった企画も。

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笑い飯・哲夫による「大覚寺カフェ『大・哲夫塾』の様子

 京都市民も観光客も、映画もアートもその他もぜんぶ、賑やかな京都の秋を楽しんでいただきたい。

文=松崎未來

京都国際映画祭2016
会期:2016年10月13日~16日
会場:イオンシネマ京都桂川、TOHOシネマズ二条、西本願寺、元・立誠小学校、元離宮二条城、よしもと祇園花月ほか
URL:http://kiff.kyoto.jp

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